建物について
両国・国技館などの設計で知られる建築家・今里隆が設計した。
切妻の大屋根にやわらかな反りを加え大型の日本瓦をのせ、下屋根は黒銅板で構成し、両屋根のバランスにより安定感あるプロポーションがつくり出されている。
門から続くアプローチは庭園に沿っているが、来館者が庭園を目にするのは美術館に入ってから。庭園は中島健氏とともにデザインを行い、ひょうたん島を中央に瀬戸内海の風景を表している。
美術館の内部はナラ材を多用し、開口部には障子を入れるなどして、平山郁夫のテーマである「平和の祈り」に通ずる暖かみのある空間をづくりが行われている。また、通路の天井の中央に位置する線状の照明は、順路を明確にする役割も担っている。
参考『屋根の日本建築』今里隆
今里隆の主な建築設計
- 美ヶ原高原美術館 光の美術館(1982年)
- 彫刻の森美術館 ピカソ美術館(1984年)
- 国技館(1984年)
- 池上本門寺(1985年)
- 成川美術館(1988年)
- 佐久市立近代美術館(増築・1990年)
- 京都 南座(1991年)
- 平山郁夫美術館(1997年)
- 醍醐寺霊宝館(2000年)
- 醍醐寺伝法学院(2000年)
- 薬師寺 玄奘三蔵院(2000年)
- 日本美術院(2001年)
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