初期作品(1930~1985)「仏教伝来」(1959)以前の平山郁夫は、主として故郷瀬戸田の風俗に取材した作品を発表していましたが、その時期に、すでに≪仏教伝来≫に技法的に直結する作品≪動物幻想≫などが制作されていたことは注目されます。屋根■制作年/1952年頃 ■サイズ/155.6×97.0cm高い丘から町並みを眺めると、屋根の上に海が見える。海は太陽光線に反射して、きらきらと輝いている。屋根瓦も眩しく光り、万華鏡のように多彩な色をぶち撒いていた。読み上げ https://hirayama-museum.or.jp/cms/wp-content/themes/hirayama_museum/mp3/work/cmt-jpn/05-06.mp3路地の倉■制作年/1952年頃 ■サイズ/67.5×50.8cm瀬戸田町や島の風景を、帰省すると写生していた。その一つに、瀬戸田桟橋の近くに、白壁の土蔵造りの蔵が並んでいたのを描いた。屈曲した路地沿いに立ち並ぶ建物は、いかにも日本的で、伝統と風格を感じさせたものである。読み上げ https://hirayama-museum.or.jp/cms/wp-content/themes/hirayama_museum/mp3/work/cmt-jpn/05-04.mp3家路■制作年/1952年 ■サイズ/146.0×206.0cm私の妹や弟たちが、我が家の蜜柑畠から帰ってくる図である。一列に横並びに歩くポーズは、エジプトの素朴な人物図を連想させる構図を意識した。単純な形によって、牧歌的な島の雰囲気を表現しようと試みた。が、出品第一作の初陣は落選となった。読み上げ https://hirayama-museum.or.jp/cms/wp-content/themes/hirayama_museum/mp3/work/cmt-jpn/05-08.mp3三女性■制作年/1953年 ■サイズ/206.8×144.9cm昭和27年に、最も基本的なデッサンとして人物像を盛んに描いていた。身近の人々にモデルを頼んでは、人物デッサンを続けていた。 その一連の習作として、三人の女性を描いた。漁船■制作年/1954年 ■サイズ/75.0×75.0cm瀬戸田町北町海岸にずらりと繋留された木造漁船は、波に揺られ船体を左右に微妙に振りながら、美しい波紋の影を見せていた。 漁船の並びが大きなリズムを作り、独特の詩情と美しさを見せてくれた。読み上げ https://hirayama-museum.or.jp/cms/wp-content/themes/hirayama_museum/mp3/work/cmt-jpn/05-10.mp3動物幻想■制作年/1954年 ■サイズ/56.8×70.2cm色彩や技法は昭和34年作の「仏教伝来」の実験的な一連の習作の一点である。動物を中心に、幻想的な植物を背景に描き、原始時代のイメージを描こうとした。作品のコメントは、原則として平山郁夫本人によるものです。ご注意作品の写真への直接リンク、無断転載、印刷利用等の個人で楽しむ範囲を超えての再使用はご遠慮ください。収蔵作品インデックス幼年期5歳から15歳までに描かれた作品見る初期作品(1930~1985)「仏教伝来」(1959)以前見る仏教伝来以降(1960~)転機となった「仏教伝来」(1959)以降の作品見るしまなみ海道五十三次しまなみを舞台に描かれた水彩画作品見る下図本画制作の前に制作される下絵見る